事業成果報告書
事業成果報告書
FD・SD事業成果報告書PDFダウンロード
FD・SD実証講座分析報告書PDFダウンロード
FD・SDプログラム
「FD・SDプログラム」ボタンをクリックして、専門学校教職員資質能力向上プログラムサイトを表示し、画面右上の「ログイン」をクリックし、「ゲストとしてログインする」ボタンをクリックすることで、シラバス・コマシラバス・教材・講義映像等のコンテンツを確認することができます。
事業成果概要
目的・概要
教職員の資質能力の向上は学校にとって恒久的な課題であるといえます。本事業は、専修学校の質保証・向上の視点から、一般教職員および学内研修講師を対象として、職業実践専門課程の質保証・向上を可能とする「教職員資質能力向上プログラム」を開発することを目的としています。
今年度(平成30年度)は、昨年度(平成29年度)に行ったプログラムニーズの調査・分析、実験講座等を通じた全体要件定義を踏まえ、その要件を満たす一般教職員向けプログラムの開発を促進して実証講座を行いました。
来年度(平成31年度)の事業では、研修者の育成要素を加えた学内研修講師向けプログラムを開発して実証講座を行う予定です。以後、これらのプログラムを履修証明プログラムとして自立させる予定です。
実施内容の概要
カリキュラム調査
平成29年度事業では、全体のカリキュラム像を定義したものの、科目開発については、構築したオンライン学修システムの実験も兼ねた講座向けに、「カウンセリング能力」「学習指導能力」「学級運営」「質保証の実務」の4科目に限定し、内容としても、それぞれの科目の概要に相当するもののみを開発するにとどめました。本年度は事業の2年目にあたり、上記4科目についてフルの内容にするとともに、新しい科目の開発を行いました。
また、3年計画の最終年になる平成31年度事業におけるプログラム開発に役立てることも念頭に置き、本事業のカリキュラムに関連の深い科目の存在、その内容等について、Webを中心に調査いたしました。
大学・大学院シラバス調査結果PDFダウンロード
大学院教員資質能力向上カリキュラム調査結果PDFダウンロード
教員向け研修調査結果PDFダウンロード
オンライン学修基盤構築
本事業では、事業1年目にあたる平成29年度事業において、本事業の目的との整合性を検討した結果、当機構ドメイン
qaphe.com
の下位にサブドメイン
fdsd.qaphe.com
を用意して、データベースサーバを構築し、そこにオープンソースのLMS(Learning Management System、学修管理システム)であるMoodle(ムードゥル)をインストールすることにより、オンライン学修基盤としました。平成29年度事業において、この基盤が順調に稼働することを確認したことから、本年度事業においても引き続き、この基盤を試用することにしました。
操作マニュアルの作成
学習管理システムとしてMoodleを採用した理由は、
- 教員が学習状況を把握する上で役立つ機能が豊富
- 利用者が学修を進めやすいユーザーインタフェースの作成が容易
という点です。これらのうち、2)については、平成29年度の実験講座において、1ページ程度のボリュームで使い方を説明するだけで、ほとんどの利用者が問題なく操作できたことで実証できたと考えています。したがって、本年度事業においても、一般利用者向けの操作マニュアルは作成しませんでした。
一方で、1)の利点を活かすには、豊富な機能を説明する操作マニュアルが不可欠であり、平成29年度にはかなわなかった、教員自らがMoodleの上でコースを作ったり、自ら分析を進めたりすることについて、本年度中にめどをつけることを目的として、「教員向けの操作マニュアル」を作成しました 。そのことによって、Moodleを活用するスキルも一つの背景にして、教員が現場に合ったコースを企画・設計し、オンライン学修基盤を活用した教育プログラムを開発できるような下地を作ることができました。
カリキュラムの作成
カリキュラムの基本については、平成29年度事業の中で、実施協力校に対するニーズ調査などをもとに構築済みです。すなわち、職業実践専門課程認定校を念頭に置き、学校評価の充実を基本的なコンセプトとし、評価基準の体系に沿って全体を区分して、それぞれの区分において研修ニーズがあると考えられる学修要素を「科目」として設定しています。このコンセプトは、たとえば、どのような学校評価でも最初の評価項目となる「学校理念」であれば、職業実践専門課程の社会的使命を理解し、教職員として常にその意識を持って事に当たることが教職員の資質です。すなわち、職業実践専門課程に認定された課程において共通する「専門職とは何か?」という問いかけに対して、自ら自信を持って答えられるような資質が求められます。そこで、「学校理念」の科目の一つとして「プロフェッショナルディベロップメント」を配しました。以下、同様の考え方で作成されたものが本事業のカリキュラムです。本年度事業では、科目開発の優先順位を決め、実施委員会の承認を得て、次表に表すカリキュラムを作成しました。3年間の事業のゴールは、全部で90コマ=135時間の学修を求める「履修証明プログラム」ですが、本年度は、そこへつなげることを見据えて、60コマのカリキュラムを作成して、このカリキュラムのもとで実証講座を開発しました。
シラバス・コマシラバス・教材の作成
カリキュラムの各科目について、シラバス、コマシラバス(1コマごとのシラバス)、教材を作成しました。
授業映像の作成(撮影・編集)
授業映像は、専用のスタジオを借りるようなことはせず、周りに騒音源がない状況のもとで、撮る側の設備として普通のディジタルビデオカメラと三脚を用意し、また、講師がプレゼンするためのPC、プロジェクターおよびスクリーンまたは大型の液晶テレビを用意して、講師がそれらの環境のもとで、教材のPowerPointスライドを表示しながら話す様子を撮りました。
一方でPowerPointのファイルを用意して、講師が話すタイミングに合わせてスライドを再生し、そこに講師の映像のサムネイルと音声を重ねる形で編集を行いました。この方法は、平成29年度事業でいくつか実験した方法の中で、受講者にとってストレスがなく、最も編集効率がよい方法ということで採用しました。
以上のような簡易的な授業映像の作成は、できる限り簡易的で、ローコストな方法を採用し、その方法についても情報公開して、オンライン学修を広く普及させるために考えた方法です。さらに改善を検討したうえで、平成31年度事業の中で、「授業映像制作マニュアル」の形で成果物にしたいと考えています。
実証講座の設定(学修要素の編集)
実証講座は、Moodleの上で、平成29年度の実験講座の要素(シラバス、教材、授業映像など)を複写し、その上に本年度事業で開発・作成した学修要素(シラバス、コマシラバス、教材、授業映像、演習問題、アンケートなど)を加えていく形で組み立てました(平成29年度の学修要素の中で、教材の見直しや授業の再録がある場合は既存の要素を修正しました)。
実証講座は、本事業のために用意したサブドメイン fdsd.qaphe.com上に新たに「FD・SDプログラム(H30年度)」コースとして設定しました。
実証講座ページの構成
実証講座ページの表示例
受講者の募集⇒実証講座の実施・運用管理
平成29年度事業の実験講座の受講者については、そのまま受講可能な状態に再設定するとともに、平成30年度事業の実証講座について、チラシを作成して受講者を募集しました。
実証講座の実施結果分析
本講座は、受講時間が相当長くなる一方で、できる限り幅広く専門学校の教職員に受講してほしいとの思いから、本事業終了日である平成31年3月8日閉講としました。したがって、本書をまとめている平成31年2月の時点で、すべての実施状況を集計・分析することは可能ではありません。しかし、事業成果をまとめ、今後の指針とすることは必須ですので、受講者に対しては、平成31年2月15日までの実施状況によって分析をさせていただくこと、アンケート等の回答も同日までに済ませてほしい旨、平成31年2月8日に「コース受講者のお知らせ」として全受講者に伝達しました。
したがって、2月15日時点でログやアンケート回答結果をいったん締め切り、受講状況の分析等を行い、その結果を「実証講座実施結果分析報告」の形でまとめることとしています 。