事業の概要
事業成果報告書
事業のテーマ
美容分野第三者評価試行の成果の普及および職業教育の国際通用性を高めるための調査・研究
事業実施期間
平成28年7月28日から平成29年3月10日まで
事業の概要
前年度「美容学校評価研究コンソーシアム」のもとで実施された第三者評価試行の各プロセスにおける問題点や改善点を洗い出すための検証を行い、次に試行結果を踏まえたテキスト教材等を作成し、各学校における評価活動を支援するためのセミナーを実施して成果の普及を図った。
また本事業成果をもとに、職業教育の国際通用性を高めるための調査・研究を、国際連携によって推し進め、その成果の普及を目的としたシンポジウムを開催した。
事業内容の説明
事業実施の成果
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第三者評価試行におけるプロセスの検証結果
平成27年度において実施された第三者評価試行の各プロセスについて、対象校(評価される側)と評価委員(評価する側)に対するアンケートを実施し、集計・分析を行った。その結果、対象校において、評価を受けたことが、学校運営の諸局面、教職員の意識面において改善を図るための動機付けとなっていることが確かめられた。
また、評価委員からは、第三者評価試行事業における評価基準、諸規定に関する妥当な評価を得た。 -
第三者評価セミナーの実施
第三者評価につながる自己評価や学校関係者評価等、学校が主体となって行う日常的な評価活動の考え方・具体的な方法を身に付けるために、本事業で作成したテキスト等の教材を活用したセミナーを実施した。
セミナーは東京、大阪、福岡の3会場にて、合わせて70名の職業実践背紋課程認定高の教職員が参加して行われ、高い研修効果を確認した。 -
職業教育の国際通用性を高めるための調査・研究
国際通用性を確保した職業教育を行う視点から、当機構の「評価基準要綱」「自己評価実施要項」「評価実施手引書」を英訳した冊子を作成し、オーストラリアおよびベトナムの質保証機関との連携を模索した。
その結果、オーストラリアの質保証機関との交流協定の締結で合意するなどの成果を得た。 -
質保証・向上シンポジウムの開催
本事業成果の普及を図ることを目的として、本事業の成果発表会を兼ねた「質保証・向上シンポジウム」を実施した。全国の専門学校に案内したところ、約200名が参加する盛会となった。
また、そのアンケートの結果、国際連携も含めた専門職高等教育の質保証・向上に対する意識を高める成果のあったことを確認した。
事業の内容について
会議
美容学校評価研究コンソーシアム研究委員会
目的 | 本事業の方針を決定し、事業成果のとりまとめを行う |
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体制 |
委員長1名 教育団体関係者4名 業界関係者3名 有識者3名 専門学校関係者5名 合計16名 |
開催回数 | 1回(平成28年7月28日に実施した) |
役割等 | 事業方針の決定、プロセスの検証・セミナーの実施・国際連携等の方針の承認、国際シンポジウムの運営、事業成果とりまとめ等を行うことを確認した。 |
① 第三者評価試行におけるプロセスの検証
目的 | 美容専門学校6校に対して実施された第三者評価試行における各プロセス、すなわち、自己評価報告書作成、書面調査、訪問調査、第三者評価報告書作成、意見申立て等の進め方が、評価基準要綱等の考え方や方法と整合していたかを確かめ、第三者評価制度におけるプロセスとしての適切性について検証した。 |
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対象、規模 | 平成27年度に第三者評価試行を実施した美容分野の専門学校6校 |
手法 | 調査票を設計した上で、各校に対して調査を実施し、その結果を精査して分析結果をとりまとめた。 |
実施体制 | 調査を専門とする会社に委託して実施した。 |
実施内容 | 平成28年8月に試行事業対象校および同事業の評価委員へ調査票を送付、9月に回収して集計・分析を行った。その結果、対象校において、評価を受けたことが、学校運営の諸局面、教職員の意識面において改善を図るための動機付けとなっていることが確かめられた。また、評価委員からは、第三者評価試行事業における評価基準、諸規定に関する妥当な評価を得た。 |
② 第三者評価セミナーの実施
目的 | 職業実践専門課程認定校における適切かつ有効な自己評価・学校関係者評価・第三者評価等の活動を支援するために、各校の評価担当者を対象とした研修セミナーを実施した。 |
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対象、規模 | 職業実践専門課程認定校の評価担当者を対象とし、東京、大阪、福岡の3会場を用意し、各会場20名強の定員を設定して受講者を募った。 |
手法 | 適切かつ有効な評価活動を進めるための具体的な方法を解説したオリジナルテキストを作成し、研修で得た知識の定着と研修効果の測定を目的とした知識確認テスト、評価活動を進めるための課題を明らかにするためのンケート等を作成し、セミナーの中で実施した。 |
実施体制 | 実施方針は「研究委員会」で策定し、テキスト等の作成やセミナーの実施は、教育研修・教材開発を専門とする会社に委託して実施した。 |
実施内容 | 平成28年10月6日東京会場18名、同年10月13日大阪会場24名、同年11月10日福岡会場28名、合計70名が参加してセミナーを実施した。時間はいずれも、10:00~16:30であった。午前は職業高等教育の質保証・向上に関する一般的知識および当機構による第三者評価の手法に関する講義を中心に行った。 午後は自己評価書作成をイメージした個人ごとの演習およびグループ演習を実施した。 知識確認テストおよびアンケートから、高い研修効果を確認した。 |
③ 職業教育の国際通用性を高めるための調査・研究
目的 | 職業教育のグローバル化に対応する、すなわち、海外の教育機関との単位互換や協定締結等を促進するための要件等について質保証の観点から調査・分析した。 |
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対象、規模 | 質保証の制度が体系的に整っている典型的な国としてオーストラリアを、わが国と同様のステップを踏んできた新興国の典型としてベトナムを、それぞれ対象とした調査を実施した。 |
手法 | わが国の教育制度や質保証制度、当機構の第三者評価の考えた・方法などに関する資料、「評価基準要綱」、「自己評価実施要項」、「評価実施手引書」を英訳した冊子等を準備した。 それらをもとにしたレクチャーを行い、それをきっかけとした議論を深め、質保証に関する連携を模索した。 また、NQF等の制度下における職業教育の現場視察を行い、わが国の同様の教育現場との比較を行った。 |
実施体制 | 実施方針は「研究委員会」で策定した上で、調査・研究を専門とする会社に委託して資料作成等を行い、国ごとに研究委員2名が出張して調査にあたった。 |
実施内容 | 平成28年11月28日から同年12月1日にかけてオーストラリアを訪問・調査した。 前述の手法に基づいた活動を行った結果、ASQA(Australian Skills Quality Authority)と当機構の交流協定の締結に向けた合意を得た。 平成29年2月5日から同年2月8日にかけてベトナムを訪問・調査した。 同国の教育訓練省、高等教育機関の担当者との協議を行い、協定締結に向けた諸活動を行った。 |
④ 質保証・向上シンポジウムの開催
目的 | 本事業の成果の発表と、職業高等教育の質保証・向上の意識高揚を目的とした。 |
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対象、規模 | 全国の専門学校約2,000校に案内を送付して受講者を募った。 |
手法 | 本事業成果発表に続いて文科省担当官による講演、第三者評価既受審校による講演を行った。 続いて、講演者等によるパネルディスカッションを行った。 |
実施体制 | 当機構事務局を中心に文科省のご協力を得て同省の施設を借りて実施した。 |
実施内容 | 平成29年2月24日、文部科学省第二講堂に約200名の参加者を得て実施した。 参加者に対するアンケートから全体として期待に沿った内容であったとの意見を得た一方、専門職大学等の新しい制度に関する詳細な情報への期待も散見された。 |
事業終了後の方針について
- 3年間の取組成果をまとめ。かつ、すべての分野を対象とした「専門学校第三者評価」制度を構築し、当機構の事業として実施する。
- 第三者評価セミナーのために作成するテキスト等の教材は、当機構ホームページにて公開し、各校の評価活動の促進のために継続的な活用を図る。
- 本事業で培った国際連携の体制は、事業終了後も維持・発展させ、専門学校における職業教育の質保証に関する国際的な動向に対応する活動を行っていく。
- 本事業の成果を、「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関」の設置およびその質保証の検討において活用する。
事業のスケジュール
事業実施体制
事業実施者の構成
事業責任者
川口 昭彦 一般社団法人専門職高等教育質保証機構 代表理事 |
事業責任者 |
教育団体・大学・高校
合田 隆史 尚絅学院大学学長 |
研究委員 |
富田 正次 全国定時制通信制高等学校長会 事務局長 |
研究委員 セミナー分科会委員 |
真崎 裕子 公益社団法人 東京都専修学校各種学校協会 事務局長 |
研究委員 |
手嶋 晧二 ハリウッド大学院大学客員教授 |
研究委員 国際連携分科会委員 |
業界関係
佐藤 友彦 有限会社アクシス 取締役 |
研究委員 国際連携分科会委員 |
福島 吉功 ICD世界美容家協会理事 東京美容家集団副会長 |
研究委員 国際連携分科会委員 |
渡邊 雅美 日本美容技術振興センター 副理事長 |
研究委員 セミナー分科会委員 |
有識者
野嶋 朗 リクルートライフスタイルビューティ総研顧問 |
研究委員 |
花岡 萬之 学事出版 副社長 |
研究委員 セミナー分科会委員 |
宋 姈優 大韓美容師会中央会付設ビューティ産業研究所所長 |
研究委員 国際連携分科会委員 |
専門学校関係
山中 祥弘 学校法人メイ・ウシヤマ学園 理事長 |
研究委員 |
前田 新造 学校法人資生堂学園 理事長 |
研究委員 |
岡本 比呂志 学校法人中央情報学園 理事長 |
研究委員 |
川越 宏樹 学校法人宮崎総合学院 理事長 |
研究委員 |
本田 あけみ 学校法人メイ・ウシヤマ学園 キャリアセンター長 |
研究委員 国際連携分科会委員 |
事業実施協力機関等
コンソーシアム研究委員会
専門職高等教育質保証機構 | 研究委員会の運営 |
全国高等学校定時制通信制教育振興会 | 第三者評価セミナー実施協力 |
アクシス | 国際連携調査実施協力 |
ICD世界美容家協会 | 国際連携調査実施協力 |
日本美容技術振興センター | 第三者評価セミナー実施協力 |
学事出版 | 第三者評価セミナー実施協力 |
リクルートライフスタイルビューティ総研 | 国際連携調査実施協力 |
大韓美容師会中央会付設ビューティ産業研究所 | 国際連携調査実施協力 |
日本美容技術振興センター | 第三者評価セミナー実施協力 |
学校法人メイ・ウシヤマ学園 | 国際連携調査実施協力 |
学校法人資生堂学園 | 国際連携調査実施協力 |
学校法人中央情報学園 | 第三者評価試行におけるプロセスの評価協力 |
学校法人宮崎総合学院 | 第三者評価試行におけるプロセスの評価協力 |
職業実践専門課程第三者評価試行事業実施協力校
ハリウッドビューティ専門学校 | 第三者評価試行のプロセス検証協力 |
松江理容美容専門学校 | 第三者評価試行のプロセス検証協力 |
明日香美容文化専門学校 | 第三者評価試行のプロセス検証協力 |
長崎県美容専門学校 | 第三者評価試行のプロセス検証協力 |
宮崎サザンビューティ美容専門学校 | 第三者評価試行のプロセス検証協力 |
琉美インターナショナルビューティカレッジ | 第三者評価試行のプロセス検証協力 |
その他下部組織等
セミナー分科会
公益財団法人 全国高等学校定時制通信制教育振興会 | 事務局長富田正次氏が分科会委員として参加 |
日本美容技術振興センター | 副理事長渡辺雅美氏が分科会委員として参加 |
学事出版 | 副社長花岡萬之氏が分科会委員として参加 |
国際連携分科会
アクシス | 取締役佐藤友彦氏が分科会委員として参加 |
ICD世界美容家協会 | 副会長福島吉功氏が分科会委員として参加 |
大韓美容師会中央会付設ビューティ産業研究所 | 所長宋姈優氏が分科会会員として参加 |
学校法人メイ・ウシヤマ学園 | キャリアセンター長本田あけみ氏が分科会委員として参加 |
学校法人メイ・ウシヤマ学園ハリウッド大学院大学 | 客員教授手嶋晧二氏が分科会委員として参加 |
事業の推進体制
文部科学省との連絡担当者
事業責任者 | 川口 昭彦(かわぐち あきひこ) 一般社団法人専門職高等教育質保証機構代表理事 |
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事務担当者 | 北澤 具子(きたざわ ともこ) 一般社団法人専門職高等教育質保証機構事務局 |
郵便番号 | 〒106-0032 |
所在地 | 東京都港区六本木6-2-33 六本木ヒルズノースタワーアネックス3F |
電話番号 | (03)3403-3432 |
FAX番号 | (03)3403-3459 |
jimukyoku@qaphe.com |